副学長ご挨拶
本学ではこれまで、複数の学部・研究科に所属する教員およびアジア文化研究所の教員を中心に、様々な専門分野からアフリカ研究が展開されてきました。また、2015年以降は「アフリカWeeks」を毎年開催し、学内外に向けてアフリカの歴史や文化に関する講演会や関連イベントを実施してきました。本事業(通称”SAFICs”―Sophia Africa Future Initiatives for Collaborations)においては、こうした学内で個別に進められてきたアフリカ研究を集約し、アフリカ地域の連携校7大学の協力を得て、学生交流促進のための教育活動を強化していきます。
SAFICsでは特に、「国際協働を通じてグローバルな環境課題の解決に貢献するリーダーの育成」を目標に掲げています。アフリカ地域では、急速な経済発展に伴い、大気汚染や水質汚染、資源の過剰な採取など、さまざまな環境問題が深刻化しており、これらはグローバルな課題の縮図とも言えます。本事業では、参加学生がアフリカの学生との対話と協働を通じて、自らにとって重要な環境課題を見出し、その解決に向けて主体的に取り組むための語学力、専門的知識(日本・アフリカの地域研究、国際協力学、地球環境学)、実践力を身につけることを目指します。さらに、異なる文化的・社会的背景を持つ人びととの「協働」経験を重ねることで、多様性を尊重しながら社会活動に参加する姿勢と精神を育むことを期待しています。
アフリカ地域は、本学にとって国際化を一層推進するための新たな重点地域である一方、他地域と比較すると、派遣・受入留学生数や研究交流が十分とは言えない状況にあります。本事業を通じて、本学における教育・研究の深化のみならず、日本とアフリカとの教育・学術交流の活性化、さらには両地域の新たな関係構築に寄与する次世代の人材を育成していきたいと考えております。
本学学生のみなさんへ
2025年4月にグローバル化推進担当副学長に着任しました。そして着任後、初めての大きなミッションが文部科学省の令和7年度「大学の世界展開力強化事業(グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援)」(タイプII:アフリカ諸国)への申請でした。米国史を専門とし、欧米地域を中心に研究活動してきた私にとって、アフリカ地域は未知の世界でした。実は、これを書いている現在(2026年2月)でも、いまだ一度も足を踏みいれたことない地域です。しかし、幸運にも、今回の採択を機に、アフリカとの国際協働に向き合うことになりました。
この事業を通して私たちが目指しているのは、「国際協働を通じてグローバルな環境課題の解決に貢献するリーダー育成」です。具体的には、上智大学と6か国・7大学に及ぶアフリカ連携大学の学生たちが学び合い、共に考え、行動することで、国際協働のあり方を実践的に体験していきます。プログラムの参加学生は、本学で複数言語(日本語・英語・フランス語)により開講される共通科目、専門分野―日本アフリカ研究、国際協力学、地球環境学―に関する講義を履修します。これらの講義の中には実際にアフリカの学生とオンラインでディスカションする機会も組み込まれています。さらに、このプログラムの大きな特徴は、アフリカでの短期研修(実践型プログラム)やボランティア活動、そしてアフリカからの学生とともに国内でのフィールドワークを行う実践を通じて、「国際協働」を体験することです。講義で得た専門知識を、人々との交流や現実の課題との関わりの中で有機的につなげていく——それが本プログラムの狙いです。
同時に、私は、参加学生の皆さんに、こうした交流や実践活動の過程で生まれる感覚も大切してほしいと思います。初めて訪れた土地の匂い、これまで口にしたことのない料理の味、自分の文化とはどこかが違うと感じるささやかな違和感など。五感を研ぎすましながら、体験をより豊かなものにしてください。そうした気付きこそが、国際協働のファースト・ステップです。相手の文化や背景に対する感受性や尊敬なしには、真の協働は生まれないでしょう。もちろん、異なる背景を持つ人々と共に活動する中で、想像以上の困難や壁にぶつかることもあるでしょう。しかし、それを失敗として終わらせるのでなく、有益な気づきや学びへと変容させていく力を身につけてほしいと思います。
本プログラムは、本学とアフリカの連携大学の教職員が一丸となって、参加学生の皆さんを支えています。私たちにとっても日本―アフリカ間の国際協働は初めての試みです。だからこそ、皆さんとともに学び、活動しながら、プログラムをより良いものへと磨きをかけていきたいと考えています。最後に、このプログラムが、皆さんにとって新しい地平を切り拓くきっかけとなることを、心から願っています。
飯島真里子 教授 〔グローバル化推進担当副学長/外国語学部教授〕
本プログラムに関する副学長のインタビュー記事はこちらをご参照ください。


