Student Voices

国際課題を“人”から考える―インターンシップで得た実践的視点

Rさん(国際教養学部国際教養学科2年)

プログラム参加前の自分について教えてください

私は従来から国際問題や政策立案に関心があり、異なる背景や価値観を持つ人々が、どのように一つの課題に対して最善策を導き出し、それを社会に浸透させていくのかを学びたいと考えていました。本インターンシップに応募する直前の夏には、大学のグローバル教育センター主催のジュネーブ国際機関集中研修に参加し、現地の国際機関を訪問する中で、国際機関が課題をマクロな視点から捉えて政策立案を行っていることを学びました。一方で、大使館のようにより個々の事例と向き合い、現場に近い立場の機関では、どのような視点や課題認識があるのかを知りたいと考え、本インターンシップへの参加を決意しました。

また、ブルキナファソという国については、国名こそ知っていたものの詳しく理解しているわけではありませんでしたが、調べるうちに、一つの国家の中に多様な民族が存在し、60以上の言語や宗教的背景が共存していることを知り、日本との文化的な違いに強い関心を抱くようになりました。さらに、過去に参加された先輩方の体験談から、温かく受け入れてくださる職場環境の中で学びを深めることができる点や、大使館職員の方々に向けて学びを発表する機会があるといった業務内容にも魅力を感じ、応募をしました。

インターンシップ先での経験、学び、活動内容は?

  • 大使館各部署の業務説明を受けるとともに質疑応答の機会をいただき、外交実務の具体的な内容や役割分担について理解を深めました。
  • 日常業務の補助や見学に参加し、予定外の業務にも同行させていただく中で、大使館業務の実際の運営や現場の流れを学びました。 
  • JICA展示用のブルキナファソ文化・歴史紹介ポスターの作成および内容調査に携わり、文化的背景や歴史的文脈について理解を深めました。
  • 口上書をはじめとする、各種外交文書の作成方法について学び、実際に作成した文書に対して専門的な観点からフィードバックをいただきました。
  • 日本中近東アフリカ婦人会主催の第22回チャリティーバザー収益金贈呈式に同行し、式典運営の流れや公式行事の進行方法、行事レポートの書き方について学びました。
  • インターン最終日に、大使館職員および大学関係者の前で、実習を通じて学んだ内容やブルキナファソに関する理解についてプレゼンテーションを行いました。

印象に残った出来事は?

本インターンシップで特に印象に残っている出来事は、大使との会話の中で、日本とブルキナファソの文化的な共通点についてお話を伺ったことです。その中で、両国には年長者を尊重する価値観や、規律を重んじる姿勢など、社会の基盤となる価値観に共通点が多いというご指摘があり、強く印象に残りました。インターン参加前は、民族や言語が多様であるブルキナファソ社会に対して、日本とは大きく異なる環境なのだろうという憶測を持っていましたが、実際にそれぞれ異なる背景を持つ大使館職員の方々が、互いの文化を理解し、尊重し合ながら協働されている姿を拝見し、その認識が大きく変化しました。文化や言語の違いは個々を表現する一つの手段に過ぎず、人間としての根本的な価値観には共通する部分が多いのではないかという気づきを得たことは、本インターンシップを通じて得た最も重要な学びの一つとなりました。

参加前のご自身と比較して、成長したなと実感していることや、身につけたスキルや知識は?

本インターンシップを通じて、知識面および視野の両面において大きな学びを得ることができました。

知識的な側面としては、普段接する機会の少ない大使館の各部署の具体的な業務内容や、その業務プロセスがどのような目的や制度的背景に基づいて構築されているのかの理解が深まりました。また、JICA横浜に展示する文化紹介ポスターの作成および内容調査に携わったことで、ブルキナファソの祭りや工芸品といった文化についても、それらがどのような宗教的、歴史的、社会的背景のもとで継承されてきたのかを体系的に学ぶことができました。

さらに、ブルキナファソの文化や価値観に触れる中で、その視点から自分が当たり前だと考えていた日本社会の前提を捉え直す習慣が身についたと感じています。特に印象的だったのは、ブルキナファソの国歌に触れ、国歌の表現には歴史的背景や国民性の違いが大きく反映されていることに気がついた経験です。日本とブルキナファソ共に、根底にある国家の長期的な繁栄を願う姿勢は類似しているものの、ブルキナファソの国歌には、独立の歴史や国家形成への強い意思が直接的に表現されており、背景によって国歌の趣がこれほどまでに異なることは非常に印象的でした。

また、各国の国歌の表現を比較する中で、軍歌でなく、日本のように静かに平和や繁栄を願うものは世界的には珍しい形式だということも知り、ブルキナファソへの理解を深めると同時に、日本の価値観を外側から捉え直す視野を得ることができた点は大きな成長だと感じています。

この経験を将来、どのように活かしていきたいか?

まず大学での学びの面においては、自分の中で当たり前と感じている物事も、異なる社会的・文化的背景を持つ人々の視点から捉え直す重要性を実感した経験を踏まえ、今後予定している留学においても、自分の前提にとらわれることなく、多様な価値観を理解し、複数の視点から考察する姿勢を深めていきたいと考えています。

また、将来的には、国際課題に対する政策立案や、国際協力に関わる仕事に携わることを目標としており、本インターンシップで得た現場における実務の視点や異なる背景への理解は、その基盤となる経験として今後に活かしていきたいと考えています。本インターンシップを経て、国際課題への対応においては、被害人口や必要資金規模といったマクロな指標が重要である一方で、同じ問題を抱えていても当事者はそれぞれ異なる背景や困難を抱えているという視点も不可欠であると感じました。今回の経験を通じて得た個々に向き合う感覚を基に、将来マクロな視点から課題を捉える際にも、数値だけに依拠するのではなく、その背後にある多様な状況を踏まえながら取り組めるよう成長していきたいと考えています。今回の経験を出発点として、専門知識と実践的経験の双方を積み重ね、国際社会に貢献できる人材となることを目指していきたいです。

参加を検討している学生へのメッセージをお願いします!

本インターンシップは、普段の大学生活では得る機会の少ない視点や経験に触れることができる貴重な機会です。大使館で実務を行いながら学ぶことで、国際協力や外交をより体系的に理解できるようになると感じています。また、ブルキナファソの異なる社会や価値観に触れることで、自分自身の「当たり前」を別角度から捉え直し、視野を広げるきっかけにもなります。少しでも関心がある方は、ぜひ挑戦してみてください。

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