プログラム参加前の自分について教えてください
私が南アフリカへの留学を志した理由として、新興国の空気を感じたかったのと、格差について現地を見ながら学びたかったからです。BRICSの一角をなす南アフリカで、現地の将来を担う大学生とともに講義や日常を過ごしたいと思っていました。特に南アフリカ有数の大学であるステレンボッシュの学生に興味がありました。問題も希望もたくさんある国のエリート学生はどのように将来像を描くのかを知りたかったです。また、大学で教育学を基に格差や貧困を学ぶ中で、より詳しく社会学の観点からそれらを学びたいと感じました。南アフリカはアパルトヘイトなどの歴史もあり、経済格差の大きさが社会問題になっています。その背景にはどのようなことがあり、どのような解決策が模索されているのかを学びたく南アフリカを志望しました。渡航前には、専門外である南アフリカやアフリカの文化や歴史などを勉強してから向かいました。また、上智でアフリカに関係のある講義を取っていた時に、アフリカを専攻する学生の熱を感じて、さらに勉強へのモチベーションが上がりました。
現地での経験、学び、活動内容は?
- 現地大学で3年分の社会学の単位を取った!
- 現地学生とのディスカッションをした!
- Xhosa語でコミュニケーションを取った!
- 友だちと650kmのドライブ!
- タウンシップへの訪問

印象に残った出来事は?
特に印象に残った出来事として、レクサスとメルセデスのディーラーの裏にある「カヤマンディ」というタウンシップへの訪問があります。タウンシップとはアパルトヘイト下の黒人居住区の名称で、そこはトタンの屋根や壁の家が密集し、舗装されていない道路を子どもが裸足で走り回っていました。現地の友人に連れられて昼ご飯を食べに訪問しました。そこでは、肉じゃがを思わせる料理やパップを美味しく頂きました。そして、現地の大学で勉強していたXhosa(コサ)語を使って、簡単ながらコミュニケーションを取ることができました。まさか、アジア人がXhosa語を話すとは予期していなかったおばあちゃんは驚きながらも笑顔で話してくれました。
そこのインフラや生活環境は、私が生活していた大学周辺と比べて大きく異なっていました。それまで私は豊かな南アフリカで生活していましたが、そことカヤマンディの生活水準の差は果てしないものがあるように感じました。
留学を経て成長したなと実感していることや、身につけたスキルや知識は?
私はこの留学で自らの持つ偏狭な価値観と自らの立場に自覚的になりました。私が留学を決めた理由の一つに、逆境を体験することがありました。確かに、語学力や人種的な面で苦労する時は多々あり、「マイノリティ」を感じました。しかし、私には帰る母国があり、そこでは最大限のマジョリティに属しているため、「帰る」という意識は常にありました。マイノリティの方にはそれがない場合があるという基礎的なことに留学してやっとたどり着けたのは恥ずかしいことでした。また、大学の講義やディスカッションやカヤマンディへの訪問、日常生活を送っていく中で格差問題が単なる経済問題でなく、歴史や人種、移動の自由などからなる深い問題であると学びました。そして、自らの豊かさを共有しないだけでなく、更に負担を周辺に押し付けるような社会構造を目の当たりにし、先進国の豊かさと途上国の負担という視点を常に考えるようになりました。これは自らのキャリアを考えるうえで大きな影響を及ぼしたと思います。加えて、寮やクラスでの交流で、南アフリカだけではなくジンバブエ、ケニア、ドイツ、アメリカ、中国から来た人と交流をして、異文化理解能力や語学力が向上したと思います。

留学経験を将来、どのように活かしていきたいか?
私は誰もが平等にチャンスを掴むことができる社会に貢献したいです。卒業後は公務員として、格差問題に教育や福祉の面から取り組みたいと考えています。様々な背景を持つ人、誰もが安心して帰ってきたいと思える都市作りに貢献したいです。その際に、留学で感じたことや社会学的知見を活用して、当事者の声を最大限聞き取り、その声を政策立案に反映させていきます。また、留学で得た想像力を活かし、統計や従来の政策が捉えられていない困難さを抱えている人にも届く政策を考えていきます。誰もが自らの故郷であると思えるような都市づくりに教育と福祉の面からアプローチを目指します。業務では直接的には南アフリカには関係しないと思いますが、語学力を活かして海外の先進事例を地域に還元し、異文化理解力を使用してより寄り添った政策立案や運営に貢献していきたいです。
留学を検討している学生へのメッセージをお願いします!
留学は意識していなかったものに、意識的に触れられるチャンスだと思います。現地の大学生と肩を並べて、日本と同じ講義を受けても常に新しい視点がありました。南アフリカは留学先としてメジャーではないと思いますし、情報も少ないと思います。しかし、米英では学べず、体験できないことも多いです。ぜひ、南アフリカにトライしてみてください。















